CCAJ会員交流会に登壇しました。
「最先端の自然言語処理AIが実現する業務効率化と顧客の声活用」
10/15(金)、オンラインで日本コールセンター協会(CCAJ)の会員交流会が行われました。10回目を迎える今回は、2社の会員企業から講演が行われ、弊社からは営業部マネージャーの金澤が「最先端の自然言語処理AIが実現する業務効率化と顧客の声活用」と題して登壇いたしました。登壇では、当社の技術・サービス紹介に加え、特に「コールセンターにおけるDX」という視点でお話をさせていただきました。
目次
1.エーアイスクエアはテキスト処理のAIエンジンを開発している
(1)自然言語処理の現状
(2)エーアイスクエアが提供する自然言語処理AIサービスについて
2.DXは「箱(ツール・AI技術)」と「中身(設計・ルール)」の両輪で進めることが大事
(1)コールセンター業界概況
(2)コールセンターにおけるDX
(3)DXを進める上での重要ポイント
3. コールセンターの非構造データはうまく使えば有益に活用できる
4.まとめ
1.エーアイスクエアは
テキスト処理のAIエンジンを開発している
(1)自然言語処理AIの現状
2013年に登場したword2vecは自然言語処理AIに大きなブレークスルーを生んだと言われており、その後もfastText、BERT、GPTなど様々なアルゴリズムが発表されています。
先に実用化されている画像処理AIを追いかけるように、近年の自然言語処理分野の進化、実用化は目覚ましいものがあります。
(2)エーアイスクエアが提供する自然言語処理AIサービスについて
エーアイスクエアでは2015年の創業以来、自然言語処理のAIエンジンを自社開発してきました。現在提供しているエンジンとその周辺サービスについてご紹介します。
①QuickQA
チャットボットやコールセンターにおけるオペレーター支援に用いられ、FAQツールとも容易に連携が可能な、自動応答サービスです。今回、自然文検索アルゴリズムにBERTを搭載したことで、特に教師データのない状態での精度が飛躍的に向上しました。
リリース情報詳細:https://www.ai2-jp.com/news/5126/
②QuickSummary
応対テキストから要約・分類・キーワード抽出が行えるAI要約・分類サービスです。応対履歴作成の簡素化や、顧客傾向の分析、オペレーターの対応品質均一化等の効果が見込めます。
③FAQFinder
応対テキストからQuestionとAnswerをセットで抽出するQ&A抽出サービスです。FAQ整備の前段階としてお使いいただけます。
④AIモデル構築
最新のAI技術を搭載した各種AIエンジンをベースに、お客様の目的に合わせたモデルを作成するサービスです。業界固有もしくは独自の名詞や表現・テキストでも対応できます。弊社の中でも人気商品で、お客様お手持ちのツールと柔軟に組み合わせ、様々な要望にお応えしてきました。下記3でその一部をご紹介いたします。
2.DXは「箱(ツール・AI技術)」と
「中身(設計・ルール)」の両輪で進めることが大事
(1)コールセンター業界概況
新型コロナウイルス感染症の影響で有効求人倍率は下がっているものの、コールセンターにおける人手不足は続いています。採用状況は一時的に改善していますが、経済活動が再開すると、長期的には厳しい採用状況に戻ると見られています。
また、問合せチャネルの多角化に合わせてメールやチャットなどのデジタルチャネル導入も着目されています。日本の平均年齢(47.4歳:2021年現在)以下の世代は、非対面の問い合わせチャネルを選択する傾向があり、コンタクトセンターもデジタル化を進めることが急務となっています。
(2)DXを進める上での重要ポイント
DX(Digital Transformation)とは、デジタルツールやITを導入することではなく、ツールから得られたデータを活用してビジネスモデルを改革することと定義されています。今後カスタマーサービス領域でもDX化が加速化すると予測されています。
前述の通り、DXは、そのものを目的するのではなく、CX向上を目的にデジタル化を前提とした「ビジネスの型」をリデザインすることです。言いかえると、箱(ツール・AI技術)の準備と中身(設計・ルール)の整備の両方をバランスよく進める必要があると、登壇では強調いたしました。
加えて、コールセンターにおける主なDX領域として、「ユーザーの求めるチャネルで回答」(自己解決率向上)、「デジタルツールにナレッジを集約した応対」(生産性向上)、「非構造データも対象にした緻密な分析」(VoC分析)が挙げられる点についてもご説明しました。
3.コールセンターの非構造データはうまく使えば有益に活用できる
前述の通り、コールセンターのDXを進めるには、何を目的にしているのかをはっきりさせた上で、企業に存在している非構造データを有効活用することが近道です。つまり、どんなツールを使い、どんなことに役立てたいのかを明確にする必要があります。ここでは、弊社のAIソリューションを使用してDXにご活用いただいている事例をご紹介いたします。
(1)AIソリューション活用事例紹介
事例①_大手電気通信事業者様
コールセンターに寄せられる声をAIで自動要約・分類し、結果データに基づく分析を行うことで、顧客サポートの強化・サービス改善を実現しました。
事例②_大手生命保険会社様
問合せ内容からのAIによるFAQ候補の抽出と、ドキュメント検索効率化のための自然文検索システムを提供し、ヘルプデスクの正確かつ短時間の応対をサポートしました。
事例③_消費財メーカー様
導入コンサルからシステム運用まで、コールセンター構築をトータルで支援し、各種AIシステムを提供することで、コールセンターのプロフィット化を実現しました。
事例④_大手損害保険会社様
応対内容から管理上必要な箇所をAIで自動抽出しタグ付けすることで、後処理時間の削減と応対品質の均一化を実現しました。
4.まとめ
ここまで、コールセンター領域のDXに対して弊社サービスができることをご説明してきました。
セミナー後、出席者の方からは、「対話のログは蓄積されてはいるものの活用が出来ておらず、“FAQ Finder”のようなQ&Aを抽出するサービスを活用すると、有効なデータ活用が出来そう」、「AIありきの取り組みやDXという言葉に踊らされることなく、目標を明確化することが重要という気づきが得られた」などのフィードバックを頂戴いたしました。
矛盾しているようですが、DXを進めるためには、DXを目的とするのではなく、例えば「人員不足の解消」「ナレッジ共有」「CX向上」など、DXを利用して何を改善したいのかといった点にフォーカスすることが大切と言えます。
「オペレーター業務以外の時間が取れなくて改善が進まない」「うちのあの業務自動化できないかな」などといった課題をお持ちでしたら、是非一度ホームページのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。