ウェビナーを開催しました。
「最先端のAI要約・分類技術が実現する業務改革事例と導入のポイント」

 10月29日、「最先端のAI要約・分類技術が実現する業務改革事例と導入のポイント」と題してウェビナーを開催し、弊社執行役員 営業部部長の堀が登壇いたしました。

 本セミナーでは、お客様の業務に合わせてAIエンジンの開発を行う「AIモデル作成」の事例とプロジェクトの進め方とよくある課題についてご紹介しました。

目次

1.最先端AIソリューションを組み合わせた提供事例

(1)ニュース要約

(2)製造業様向け不具合・クレーム分析

2.プロジェクトの進め方とよくある課題

  • よくある課題

3.サービス提供の考え方

4.まとめ

1.最先端AIソリューションを組み合わせた提供事例

 エーアイスクエアでは、自社で保有する各種自然言語処理AIエンジンをお客様業務に合わせてカスタマイズし「AIモデル作成」を提供しています。2015年の設立以来、特にコールセンターを始めとした顧客接点領域で実績を積み重ねてきましたが、専門文書やニュースの要約、メーカー様の技術文書の解析など、多種多様な領域での事例が増えてきました。当日は以下の2つの事例をご紹介しています。

(1)ニュースの要約

概要:ニュースの収集と要約を、弊社エンジンとRPAツールで自動化

詳細:業界動向や競合他社の情報を担当者が収集して要約し、社内に展開していました。人手でのニュースの検索、内容把握、要約には多くの手間がかかっており、省力化のため当社からニュース要約のエンジンを提供させていただいた事例です。ニュースの収集・要約・共有を一貫して効率化し、85%の作業工数削減を実現しました。要約対象となるニュースの収集にはRPAツールを用いています。また、日本語と英語が混在していたため、翻訳エンジンとの連携で多言語対応を実現した点も特徴です。

(2)製造業様向け不具合・クレーム分析

概要:蓄積された技術文書から「症状」と「根本原因」をAIが抽出し、製品開発にフィードバック

詳細:社内で大量に蓄積された、製品の故障不具合情報を解析し、製品開発に役立てたいとのご要望を受け、当社から要約エンジンを提供させていただきました。有益な情報が含まれているにも関わらず、情報量が膨大で、分析したくてもできない状態を解消するべく、全文から「症状」と「根本原因」に該当する箇所のみ抽出するモデルを開発しました。
 少量の学習データから抽出精度を向上させる「FewShotLearning」や「BERT」「GPT」を始めとした先鋭モデルの採用機械学習(AI)とルールベースのハイブリッド型のアプローチなどを駆使し実運用に足る精度を実現しています。エンジニア向け情報検索ツールへの組み込みを行い、本番化に向けて検討を継続しています。


2.プロジェクトの進め方とよくある課題

 「AIモデル作成」については、3ヵ月~半年程度のPoCを数回実施し、AIとしての精度評価や業務適用の検証を経て、本番化可否判断を行うのが一般的です。プロジェクトを実施するうえで、直面する課題についてもご紹介しました。

  • よくある課題

①課題が明確になっていない
 「データもあるのでAIを用いて何かを」とプロジェクトを始めると、進行がスムーズにいかないケースが多くあります。特に、業務目線での課題とAI側のタスクが整合していないと、AIの担うべき業務目標が明確にならず、また現場のオペレーションに落とし込むことが困難になり、期待する効果が得られにくいです。(AI導入による工数増というリスクもあります)

②AIのタスク設定やKPIが適切ではない
 AI側の精度が100%になることは、ほぼありません。
 AIが実現可能な現実的精度を踏まえ、業務課題の解決のために、AIと人・システムとの連携を含めた、オペレーション面での最適化が重要になります。運用を続けるうちに、様々な要因でAIの業務目標は変化していくと思います。その都度、KPIを評価して、オペレーションの調整を続けていく必要があります。

 補足として、Recall(再現率)、Precision(適合率)やF1値(RecallとPrecisionの調和平均)など、代表的な精度評価の指標とそのバランスについても説明いたしました。

③データの量・質が十分ではない
 AI の入力となる教師データが正規化されていない場合(入力ルールが定まっておらず不統一、名寄せされていない、時系列管理されていない)も課題の一つとなります。こちらについては、当社の「アノテーションセンター」にてデータ整備の支援も行っております。


3.サービス提供の考え方

 サービスの説明をさせていただくと、提供形態について「オンプレ」と「クラウド」のご質問を頂くことがよくあります。弊社は自社管理のパブリックラウド経由での提供をベースにしてサービスをご提供しておりますが、「AIモデル作成」については、提供内容によってはオンプレでの対応も可能です。


4.まとめ

 弊社は、最新技術を用いたAIサービス提供に加えて、導入時に必要なデータ整備・運用のご支援まで、一貫してサポートできるのが強みです。具体的な課題をお持ちの方から、どういったことが出来るのかイメージを作りたい、といった方まで、是非一度ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。持たれている課題業務を紐解きながら、弊社がどんなことでお手伝いできるか、一緒に考えさせていただきます。