「AI・ChatGPT活用をとことん考えるウェビナー」を開催しました
12月13日、株式会社TMJと共催で、「AI・ChatGPT活用をとことん考えるウェビナー」を開催しました。
今回のウェビナーでは、コールセンター・バックオフィスセンターの構築・運営を行うTMJと、人工知能(AI)を活用した各種ITサービスとコンサルティングを提供するエーアイスクエアの2社が、生成AI・ChatGPT について、Q&A形式で解説しました。
(質問1)
Q:日々進化していると話題のChatGPT、現状はどのようなことができるのか?
A:ChatGPTを活用したツールは、すでに多岐に渡る分野で実装されています。 個人向けでは、筋力トレーニングプランを立案するアプリや、子供の夏休みの自由研究のテーマを考案するチャットボットが登場していますし、ビジネスにおいても、社内規則データを元に質問に回答するチャットボットなどが実用化されています。このように、今までの技術では不可能であったことが、ChatGPTを始めとした生成AIの進化に伴い可能となりました。今後も、より大きな生成モデルが次々に登場することで、現在よりも高度で幅広いことができるようになると考えます。
(質問2)
Q:現時点で、コンタクトセンター領域で『生成AI』に向いてる業務・タスクは、どんなものがある?
A: 前の質問で「ChatGPTをはじめとした生成AIは多くのことが出来る」とお伝えしました。一方で生成AIには、情報の正確性が保てない、機密情報漏洩のリスク、情報の出どころが不明、応答時間の長さなどといった課題もあります。生成AIを業務適用する際には、このような「生成AIの課題」を踏まえて、適用範囲を適切に定めたうえで、対策を講じる必要があります。コンタクトセンター領域においては、現在のところ、テキスト化された応対履歴の要約や、マニュアルからの回答生成などが向いていると考えています。
(質問3)
Q:業務の効率化に役立つ『生成AI』の使い方とは?
A:生成AIは幅広いタスクの実行が出来ます。コンタクトセンターの関連業務に限らず、皆様の日々の業務の中で「何かあったらChatGPTで出来るか検討してみる」ことから始めるとよいでしょう。
(質問4)
Q:『生成AI』を活用するために必要な知識とスキルとは?
A:ChatGPTを前提とした場合、プロンプトの作成ノウハウを理解しておく必要があります。プロンプトの出し方によって、ChatGPTからのアウトプットが大きく異なるため、目的に応じて最適なプロンプトを採用することがポイントとなります。
一方、セキュリティ上の問題や社内ルール上、クローズな環境で生成AIを利用したい場合は、生成AIのパターン理解が役に立ちます。具体的には、API利用のほか、大規模基盤モデルの活用、OSSのLLM活用といったパターンが考えられます。これらパターンごとの特性を理解した上で、業務の制約条件に合わせた生成AIの構築が必要となります。
(質問5)
Q:個人情報を学習されてしまうか不安です。
A:現在Azure OpenAI Serviceの利用規約上は、「利用者データは基本モデルの学習に使われることはない」となっています。しかし、学習のアルゴリズムが不透明という点から、個人情報漏洩のリスクを懸念される企業は少なくありません。この懸念を払拭しつつ業務実装するため、漏洩するとリスクが高い個人情報などは、予め除いてしまう方法があります。エーアイスクエアでは、音声認識テキストの要約において、ChatGPTに要約させる前に、あらかじめ個人情報を除く仕組みを実装しています。この様に、既存の技術で生成AIによる個人情報学習のリスクを低減することは可能です。
(質問6)
Q:AI活用において、企業側が成功するための最大のコツとは?
A:大きく2点のコツがあります。ひとつは、生成をAIを使う上で、正しい現状分析に基づき課題を抽出し、適切な目的を設定したうえでの導入設計がコツになります。もう一つは、業務のデジタル化を推進する人材の育成が大きなポイントです。
(質問7)
Q:3年後、5年後、コンタクトセンターにおけるAI活用はどうなる?
A:AI技術は日進月歩ですので、3年後、5年後を予想するのはとても難しいことです。確実なこととしては、人口減少に伴う労働力減少により、将来的に現在のような働き方は出来なくなってきます。生成AIの進化や、それに伴う莫大なデータを処理するためのインフラ整備が進むと、コンタクトセンター業界においても、自動化領域の拡大や、能動的な提案をするパーソナライズ化されたAIの開発・実装などが進むと予想します。
一方で、「人が応対する」ことは現在よりも高い付加価値となり、有料化が進むなど、問い合わせ窓口の役割が二極化していくと考えています。
今後、AIの役割は受動的なものから、より能動的なアクションへと変化し、付加価値サービスやオムニチャネルサポートに焦点が当てられます。TMJとエーアイスクエアは、AIと顧客サービスにおける専門知識を活かし、技術とビジネスを繋げていく役割を担っています。生成AIをコンタクトセンター業務に活用したい、そもそもどういった業務に適応できるのか課題を洗い出したい等の悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。