兵庫県宝塚市にある雲雀丘学園中学校・高等学校にて、学生向けにAIに関する特別講演を行いました

 4月27日、兵庫県宝塚市にある雲雀丘学園中学校・高等学校にて、学生向けにAIに関する特別講演を行いました。弊社、営業部マネージャーの金澤がAI技術の歴史と現在、そしてこれからのAIと人のかかわり方を講演しました。

目次

(1)AIの歴史と現在地

(2)AIの技術について

(3)AIが世の中に与える影響。人の仕事は減るのか?

(4)中高生からの質問

(5)まとめ

(1)AIの歴史と現在地

 「人工知能(AI)」の歴史は意外と長く、1956年にアメリカで開催されたダートマス会議において、ジョン・マッカーシーが初めて使ったところから始まりました。1950年代後半から第1次AIブームが始まり、人々はAIに対する研究を加速させました。しかしながら、技術的な課題が多く見つかり、AIは「ブーム」と「冬の時代」を何度か繰り返してきています。現在は、2010年頃から始まった第3次AIブームの最中で、3つの要素(①機械学習・深層学習を始めとした技術的ブレイク、②大量データの蓄積、③コンピューティングパワーの向上)が整ったため、実用化フェーズに入ったと言われています。

(2)AIの技術について

 「AIは何でもできる」と思われがちですが、実際にはなんでもできるわけではありません。
 AIは、課題や目的とデータ合わせて様々な技術を取り入れており、個別の学習を行うことで実用化に至ります。
 例えば自然言語処理の領域では、音声のテキスト化技術と組み合わせることで様々な応用が可能になっています。具体的には、コールセンターの会話をテキスト化することで、お客様との会話を分析したり、自動応答(人での対応ではなく、機械で受け答え)できるようになりつつあります。

(3)AIが世の中に与える影響。人の仕事は減るのか?

 ここまで、AIの実用化が進んでいることを紹介しましたがAIが人の仕事を奪ってしまうようなことは起きるのでしょうか?

 実は、これまでも技術が進化・発展するなかで同様の議論が度々されてきましたが、残念ながら現在のAIは、なんでもできるわけではなく、「繰り返し行われる作業」に限定して適用されます。そのため、「人の仕事を奪ってしまう」わけではなく、「単純作業をAIが行い、人はよりコアな仕事に従事できる」ことになります。技術革新が進み働く環境も変わっていく中、これからの「働き方」として、もし仕事がなくなったとしてもそれまでの経験値を生かしつつ仕事のやり方を変えていく、という考え方が大切になってきます。

(4)中高生からの質問

 会場では、中学生・高校生の皆さんからたくさんの質問を頂き、有意義な時間となりました。

 「AI技術の進化に伴い、仕事はどう変わるのか」「バスの運転手さんはいなくなるのか」「医療関係でAIが置き換わる領域はあるか」といった質問や「映画とかでAIが人間に反乱を起こすといった描写がありますが、実際に起こりますか?」「AIが事故や問題を起こした時の責任は誰がとるのですか?」という鋭い質問もありました。また、AIに興味を持っていただいた生徒さんからは「将来、AIに使われることなく、安定的な職業に就くためには今どんな勉強をしたらよいですか?」などの質問もありました。

 最後に学園の教頭先生からは、次のようなお話がありました。

「この20年くらい日本の経済は停滞しました。(学生の)みんなは生まれてないからもちろん責任はないけれど、日本のGDPは20位以下です。新しい知識や技術に触れたとき、例えば今日の授業をきっかけに調べたり使ってみたりして、より学びを深めていってほしいです。」

(5)まとめ

 今回、特別に学生向けの講演という、日々の活動のなかで滅多にない機会をいただきました。未来の日本を支える学生の方々は、とても興味深く話を聞いてくださいました。エーアイスクエアは、「これからも高い技術力と知見を元にお客様の課題解決をご支援していこう」と決意できる一日となりました。